寝る前にやめた3つの習慣とは?睡眠の質を上げる方法を解説

「なんとなく疲れが取れない」「朝スッキリ起きられない」——そんな悩みを持つ方は少なくありません。
実は、寝る前の”ちょっとした習慣”が、睡眠の質を大きく左右していることがあります。
この記事では、筆者自身が「寝る前にやらない」と決めた3つのことと、その理由・効果を丁寧にお伝えします。
専門家の知見も交えつつ、難しい話はできるだけ噛み砕いてお話ししますので、最初は迷って当然ですが、「まずはここだけ」というポイントを一緒に見つけていきましょう。
そもそも「寝る前の習慣」がなぜ大事なの?

寝つきの良し悪しや翌朝のコンディションは、実は就寝直前の過ごし方に大きく左右されます。
「寝る前の1〜2時間をどう使うか」が、睡眠の質そのものを変えると言っても過言ではありません。
ここでは、なぜ寝る前の時間がそれほど重要なのかを整理しておきます。
脳と体が「休むモード」に入るしくみ
人の体には、活動モードとリラックスモードを切り替えるスイッチのようなものがあります。
医学的には「自律神経」と呼ばれるもので、日中は交感神経(活動モード)が優位になり、夜は副交感神経(リラックスモード)が優位になるのが自然なリズムです。
スタンフォード大学のアンドリュー・ヒューバーマン教授は、「就寝前の行動が自律神経のスイッチを狂わせる最大の原因になり得る」と指摘しています。
つまり、寝る前にどんな習慣を持っているかが、体が休息に向かう”準備時間”の質を決めているということです。
一般的には、寝る90分〜2時間前からリラックスモードへ移行し始めるのが理想とされています。
この時間帯に脳や体を興奮させる行動をとってしまうと、スイッチの切り替えがうまくいかず、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなる原因になります。
「寝る前のクセ」が積み重なるとどうなる?
1日だけならそこまで影響を感じないかもしれません。
でも、それが1週間、2週間と続くと話は変わってきます。
よくあるケースとしては、「寝る前にスマホを見るのがやめられない」という方がいらっしゃいますが、これが毎晩の習慣になると、慢性的な睡眠不足につながることがあります。
週間を通じて蓄積された睡眠の質の低下は、日中の集中力ダウンや気分の落ち込みにもつながります。
「たかが寝る前のクセでしょ?」と思われるかもしれませんが、生活全体に影響が広がっていく可能性があるからこそ、見直す価値があるのです。
寝る前にやめた3つの習慣とその理由

ここからは、筆者自身が実際にやめて変化を感じた「寝る前の3つの習慣」を紹介します。
どれも特別なことではなく、忙しい毎日の中でつい無意識にやってしまいがちなことばかりです。
人によって異なりますが、「これ、自分もやっているかも」と思うものがあれば、参考にしてみてください。
① スマホでニュースやSNSをチェックすること
寝る前にベッドでスマホを開いて、ニュースやSNSを流し見する——これ、かなり多くの方が心当たりがあるのではないでしょうか。
筆者もかつては「5分だけ」と思って開いたSNSで、気がつけば30分以上スクロールしていた…ということがよくありました。
問題は大きく2つあります。
ひとつは、画面から出るブルーライトが脳を覚醒させ、眠りにつくまでの時間を長引かせてしまうこと。
もうひとつは、ニュースやSNS上のネガティブな出来事が感情を揺さぶり、頭が休まらなくなることです。
寝る直前に衝撃的な出来事や他人の成功を目にすると、不安や焦りが刺激されて、リラックスモードへの切り替えが妨げられます。
ハーバード大学のチャールズ・ツァイスラー教授の研究チームは、就寝前2時間以内のスマートフォン使用がメラトニン(眠りを促すホルモン)の分泌を最大で約50%抑制する可能性があると報告しています。
つまり、寝る前のスマホ習慣は、単に「時間がもったいない」だけでなく、体の眠る力そのものを弱めてしまうということです。
やめてみてどう変わった?
筆者の場合、「寝る1時間前にはスマホを別の部屋に置く」というルールを取り入れたところ、寝つくまでの時間が体感で半分以下になりました。
最初の数日は手持ちぶさたでしたが、1週間もすれば慣れました。
無理に最初から完璧にやる必要はありませんが、まずは「ベッドにスマホを持ち込まない」だけでも試してみる価値はあります。
② その日あった嫌な出来事を頭の中で反復すること
仕事でミスをした、誰かに嫌なことを言われた、思うようにいかなかった——日中のネガティブな出来事を、布団に入ってから何度も頭の中で繰り返してしまう経験はありませんか?
これは心理学で「反芻(はんすう)思考」と呼ばれるもので、簡単に言えば「同じことをぐるぐる考え続けてしまう」状態です。
反芻思考は意識的にやめようとしても止まりにくいのが特徴で、寝る前の静かな時間に起こりやすいと言われています。
ペンシルベニア大学の睡眠研究を専門とするマイケル・パーリス教授は、「就寝前の反芻思考が入眠潜時(寝つくまでの時間)を有意に延長させる」という研究結果を示しています。
筆者がこの習慣を手放すために取り入れた方法は、「3行日記」でした。
ノートに「今日よかったこと」「明日やりたいこと」「今の気持ち」を3行だけ書く、というシンプルな方法です。
これを始めてから、頭の中のモヤモヤが紙に移る感覚があり、考えがループしにくくなりました。
書く時間はほんの3〜5分程度なので、忙しい方でも生活の中に取り入れやすい方法だと思います。
③ 「明日やること」を頭の中だけで整理しようとすること
「明日は朝イチであの資料を出して、お昼までにメールを返して、午後は打ち合わせで…」
寝る前に翌日のスケジュールを頭の中だけで組み立てようとすると、脳が”仕事モード”に戻ってしまいます。
一般的には、頭の中でタスクを整理しようとする行為は「計画的思考」と呼ばれ、脳を活性化させる効果があるとされています。
日中であればパフォーマンスアップにつながる良い習慣ですが、寝る直前にやると逆効果になりかねません。
「頭の中の整理」は、実は脳にとってかなりエネルギーを使う作業です。寝る前に必要なのは”考えること”ではなく”手放すこと”なのです。
おすすめの対処法
筆者が実践しているのは、「寝る前に翌日のTo-Doを紙に3つだけ書き出す」という方法です。
ポイントは「3つだけ」に絞ること。すべてを書き出そうとすると、それ自体が脳を興奮させてしまいます。
「明日、最低限これだけやればOK」という3つを決めておくだけで、漠然とした不安がかなり軽減されます。
この小さな習慣の切り替えだけで、布団に入ってからの「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」がずいぶん減りました。
習慣を変えるとどんな効果がある?実感した変化

「やめるだけで本当に変わるの?」と感じる方も多いかもしれません。
ここでは、寝る前の習慣を見直したことで筆者自身が実感した変化と、専門家が示しているデータをあわせてお伝えします。
過度な期待を煽るつもりはありませんが、小さな変化の積み重ねが思った以上に大きかったというのが正直な感想です。
朝の目覚めと日中の集中力がアップした
寝る前の3つの習慣をやめて最初に感じたのは、「朝の目覚めが違う」ということでした。
アラームが鳴る前に自然と目が覚める日が増え、午前中のぼんやり感がかなり減りました。
これは筆者だけの体験ではなく、睡眠の質が上がると日中の認知機能(集中力や判断力)が向上するという研究は多く報告されています。
仕事のパフォーマンスアップはもちろん、家事や育児を効率よくこなせるようになったのも大きな変化でした。
気持ちの安定とストレスへの耐性アップ
もうひとつ実感したのは、ちょっとしたことでイライラしにくくなったことです。
寝る前に嫌な出来事を反芻する習慣をやめたことで、朝起きたときの気分がフラットになり、「引きずらない自分」を感じる場面が増えました。
睡眠と感情コントロールの関係は、多くの睡眠医学の教授が著書や講演で繰り返し述べているテーマです。
十分な睡眠がとれていると、ネガティブな情報に対する脳の反応が穏やかになるとされています。
逆に言えば、睡眠の質が低い状態が続くと、同じ出来事でもより強くストレスを感じてしまう可能性があるということです。
時間の使い方に対する意識が変わった
意外だったのは、「寝る前の過ごし方」を意識するようになったことで、日中の時間の使い方まで変わったことです。
「夜にスマホを見ない」と決めると、「じゃあ夕食後の時間に情報収集を済ませよう」と考えるようになり、結果としてダラダラ過ごす時間が減りました。
寝る前の習慣を見直すことが、生活全体のリズムを整えるきっかけになったのは予想外の効果でした。
習慣を変えるときに気をつけたいこと

「よし、今日からやめよう!」と意気込むのは素晴らしいことですが、無理をしすぎると続きません。
ここでは、寝る前の習慣を変えるときに陥りがちな失敗パターンと、無理なく続けるためのコツをまとめます。
最初は迷って当然ですし、完璧にやる必要はまったくありません。
よくある失敗①|一度に全部変えようとする
3つの習慣を紹介しましたが、いきなり全部を同時にやめようとすると、ストレスになって長続きしません。
まずは「いちばん自分に当てはまるもの」をひとつだけ選んで、1〜2週間試してみるのがおすすめです。
習慣を変えるのに必要なのは、強い意志力よりも「小さく始めて続ける仕組み」です。
行動科学の研究でも、新しい習慣を定着させるには「ひとつずつ、段階的に」が効果的とされています。
よくある失敗②|「できなかった日」に自分を責める
習慣を変えようとすると、「昨日はできたのに今日はできなかった…」と落ち込むことがあります。
でも、できない日があるのはごく普通のことです。
大切なのは、1日できなかったからといってすべてリセットされるわけではないということ。
「完璧にやること」ではなく「やめた日の方が増えていくこと」を目標にする方が、長い目で見て習慣が定着しやすくなります。
無理に選ばなくても問題ありませんし、自分のペースで少しずつ進めていければ十分です。
よくある失敗③|「代わりに何をするか」を決めていない
「スマホを見ない」と決めても、代わりにやることが決まっていないと手持ちぶさたになり、結局スマホに手が伸びてしまいます。
習慣を「やめる」だけではなく、「代わりに何をするか」をセットで決めておくのが成功のポイントです。
よくあるケースとしては、次のような方法を取り入れている方が多いです。
・軽いストレッチや深呼吸(5分程度)
・紙の本を読む(スマホではなく紙がポイント)
・アロマを焚いてぼーっとする時間を作る
・さきほど紹介した「3行日記」を書く
どれが合うかは人によって異なりますので、いくつか試してみて心地よいと感じるものを見つけてみてください。
よくある質問(FAQ)

ここでは、寝る前の習慣についてよく寄せられる疑問にお答えします。
「自分の場合はどうなんだろう?」というモヤモヤが少しでも解消されればうれしいです。
Q1. スマホを時計代わりに使っているのですが、別の部屋に置くのは難しいです…
そのお気持ち、よくわかります。アラーム機能のためにスマホを枕元に置いている方はとても多いです。
おすすめは、安価な目覚まし時計をひとつ用意すること。1,000円前後で十分なものが手に入ります。
時計を用意するだけで「スマホを寝室に持ち込まない」ハードルがぐっと下がります。
それが難しければ、スマホを「おやすみモード」に設定して画面を裏返しておくだけでも、通知の誘惑を減らす方法として効果があります。
Q2. 3行日記を書く時間すら取れないくらい忙しいのですが…
「時間がない」と感じるのは、それだけ毎日を頑張っている証拠です。
3行日記は「きちんと書かなきゃ」と思うとハードルが上がりますが、実際は箇条書きでもメモ書きでも構いません。
「よかったこと→ランチがおいしかった」くらいの一言で大丈夫です。
必要なのは”きれいに書くこと”ではなく、”頭の中を外に出すこと”なので、時間にして1分もあれば十分です。
Q3. 習慣を変えてもなかなか寝つきが良くならない場合は?
習慣を見直しても改善が感じられない場合は、睡眠の問題が他の要因に起因している可能性もあります。
たとえば、カフェインの摂取時間、寝室の温度や光環境、日中の運動量なども睡眠の質に影響します。
生活のさまざまな側面が関係しているため、ひとつの方法で解決しないことも珍しくありません。
2〜3週間ほど続けても変化が感じられない場合は、かかりつけ医や睡眠外来に相談してみるのもひとつの選択肢です。
専門の医師に相談することに抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、睡眠の悩みで受診される方は年々増えており、決して大げさなことではありません。
Q4. 寝る前にやめる習慣と合わせて、取り入れるといい習慣はありますか?
「やめること」と「取り入れること」をセットにすると、新しい習慣が定着しやすくなります。
取り入れる方法としては、寝る前のぬるめの入浴(38〜40℃)が代表的です。体温が一度上がったあとに下がるタイミングで眠気が訪れやすくなるため、入浴の時間を就寝の1〜1.5時間前に設定するのが理想的とされています。
また、「感謝の気持ちを思い浮かべる」というシンプルな習慣も、睡眠の質を高めるうえで有効だという研究があります。
大きな出来事でなくて構いません。「今日、温かいコーヒーが飲めてよかった」程度のことで十分です。
Q5. 子どもの寝かしつけのあと、自分の時間にスマホを見るのが唯一の楽しみなのですが…
その気持ちはとてもよくわかりますし、その時間を全否定するつもりはまったくありません。
子育て中の方にとって、子どもが寝たあとの自分だけの時間は本当に貴重ですよね。
無理に「スマホを見るな」とは言いません。
ただ、もし「見たあとに目が冴えてしまう」「寝つきが悪くなる実感がある」という場合は、スマホを見る時間を就寝の30分前までにして、そこから先はスマホを置く——という”ゆるいルール”から始めてみるのも方法のひとつです。
完璧を目指す必要はありません。
まとめ|小さな「やめる」が、毎日を変えていく
寝る前にやらないと決めた3つの習慣を振り返ります。
① スマホでニュースやSNSをチェックすること
→ ブルーライトと情報刺激が、脳の休息モードへの移行を妨げる
② 嫌な出来事を頭の中で反復すること
→ 反芻思考が寝つきを悪くし、朝の気分にも影響する
③ 「明日やること」を頭の中だけで整理しようとすること
→ 脳が活性化し、リラックスモードに入れなくなる
どれも「やめる」こと自体にお金も特別な時間も必要ありません。
大切なのは、自分の寝る前の時間を少しだけ意識してみること。
一気に変えようとしなくて大丈夫です。ひとつだけ選んで、今週から試してみてください。
その小さな一歩が、1週間後、1か月後の睡眠の質、そして毎日の生活を少しずつ変えてくれるはずです。
この記事が、あなたの「ちょっとした見直し」のきっかけになればうれしいです。
投稿者プロフィール
- 自由気ままな人生を送っている30代主婦です。静岡県在住。ホテル勤務、デザイン会社勤務を経て、現在はフリーランスライター。
旅行やレジャーが好きです。
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